表裏一体

何故だかこう当店は隙間を突く物に

惹かれる傾向を時折感じます。

狙って仕入れられる訳では無く、

たまたまの出会いからの選択なので、

バイイングの心境としては

普段日本で買物をしている際の

衝動買いに少し近い様なものもあります。

まず構築的なデザインとして、

そしてビジュアルの面白さでも。

ウンチク要素はある程度、

ほどほどまでの判断基準に。

(補足をしておくと、ウンチクはあくまで“付加”価値としての要素と阿部は捉えているので、その服から提案される裏メニューの様なものだと思います。勿論総合的にも考えますが自分の場合は前後関係なく感覚的に着る服としてストーリーを見出せるかどうかで選択しています。例えば敏感でフレッシュな年頃のお客様が洋服に対して分け隔てなく感覚的な衝動で心突き動かされているあの様な瞬間を自分は年を経てもいつまでも大事にしたいですし、洋服の提案者が絶対に無くしてはいけない心であるとも思います。ただしかし飲食店等でも裏メニューの存在を知ってしまうと、その特別感は他のメニューを差し押さえかねないアドバンテージを持った選択になる事も理解していますし、洋服においては魅力の説得力を倍増させる事もあると思います。自身の定義上、ビジュアルや構築・理屈のデザインという表メニューと、そこ隠れるウンチクという裏メニューをどちらも色濃く兼ねた“年代入り混じるヴィンテージウェア”という幅広いものを取り扱っている以上、とどのつまりはどちらもお薦め要素である事に結論づけています。いったい表と裏のどちらが本質なのか、その表裏一体となってしまっている永遠のテーマには常に考察を重ねておりますが、やはりどちらにも優劣は存在せず、よく考えてみれば優劣をつける必要もない様にも思いますし、デザイン先行での洋服の選択もウンチク先行での洋服の選択にもやはり前述の通りどちらも正解である判断に着地しています。ただ、裏メニューはその名の通り表がある元で裏を楽しむから良いものだと思いますので、もし全ての表要素を差し置くほど裏メニュー表立ってしまっていた場合、その真の楽しみに無意識にノイズが生じてしまう様でもったいない気がするので、自分は両メニューを両手に抱えて店頭でお付き合いいたします。そしてもし宜しければ皆様からのご教授も賜りたくも思います。)

…少し注釈が長くなりましたが、

(すみません、久しぶりに指が走りました)

今日の写真に目を戻すと

気の利き過ぎたデザインの英国軍アンダー、

珍しいタイプのDPM、ビーバーテイル、

現代的なゆとりとデザインに思う

軍キルトライナーとコマンドセーター、

配色とワードに閃きを得たチャンピオン、

何でバブアー名義ではないのか不思議な程に

バブアーな印象のハンチング、

好物な60’sボックス・釣鐘型、

バルマカーンでオリーブのバーバリー。